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黒字なのに倒産した理由とは?!人手不足は関係ない。株投資のタイミングとキャッシュフローの重要さを解説

こんにちは。『やってみよう』です。

財務会計、経営学、簿記、会社マネジメントの初期知識、基礎知識として、黒字倒産の原理(メカニズム)を知ることは重要です。

黒字なのに会社が倒産する。そんな矛盾があり得るのか?と疑いたくなりますが、黒字倒産は日本でも多く発生しています。平成21年に不動産業大手、アーバンコーポレーションも黒字倒産でした。

この記事では、黒字倒産の原理と株投資のタイミングについて、わかりやすく説明しています。

原理原則(メカニズム)を知る

会社は損益計算書(P/L)上で利益(黒字)が出ていても、営業キャッシュフロー(本業で儲けた現金)がマイナスであれば、遅かれ早かれ倒産します。

商品仕入れで発生した返済、借入金返済のため、企業は月商の2~3カ月分の現金を手元に準備しておかなければなりません。もし、手元に現金が無く、借金の返済ができなくなると、いくら黒字でも手元に現金が無く、借金返済できないため倒産することになります。

これが、資本主義社会の原理原則の一つです。しっかりと体に染み込ませて今後の経営、資産運用に活用していきましょう。

黒字だからといって手元に現金があるわけではない

黒字倒産の多くは、在庫を過剰に抱えたときに起きます。

商品は多く仕入れると単価を安くできるため、損益計算書(P/L)上では利益が出やすくなります。ただし、もともと過剰発注(過剰仕入れ)しているため、売れ残り在庫には注意を払う必要があります。

P/Lに費用と利益が計上されるのは商品が売れた時点です。逆に言うと、P/Lには売れた分だけの費用しか計上されず、在庫情報はP/Lには加味されません。 在庫を抱えると貸借対照表(B/S)の棚卸資産が増え、B/Sの流動資産(現金)が減少します。

借金して過剰仕入れを行った結果、原価は下がるものの棚卸資産(在庫)が増え、在庫が売れずに現金化できず、それに加えて、借金の支払い利息を払う羽目になります。その結果、会社に現金がなくなっていきます。

一方、損益計算書(P/L)上では、売り上げに対して利益が出るので、見た目上は黒字になります。過剰仕入れで仕入れ単価が下がっていますので、売り上げれば利益が出やすいのは簡単にわかりますね。ただ、過剰仕入れによる過剰在庫が現金化できておらず、これが 損益計算書(P/L)上 では表現されていないのです。

こうやって、過剰仕入れによる低原価で見かけ上利益が出ており、他方、過剰在庫が膨らみ借金返済できない状況が続くと、その結果、黒字倒産となります。

これが黒字倒産の原理・メカニズムです。

また、過剰在庫があるかどうかは貸借対照表(B/L)で確認できます。数年分の貸借対照表(B/L)で棚卸資産が右肩上がりで、損益計算書(P/L)上で利益が出ているときは、黒字倒産の危険性がありますので要注意です。

株投資は経常利益ではなくCFキャッシュフローで判断

営業利益、経常利益が右肩上がりだからこの会社の株は持っていても問題ないだろう。このように判断する投資家も多いかと思います。事実、利益が出ているかどうかは株投資判断の重要な指標です。ただ、上述した黒字倒産の原理原則を知っていると知っていないとでは、株投資に対する判断も変わってきます。

株投資の際には、営業利益や経常利益が出ていることに加えて、営業キャッシュフローがプラスであることを必ず確認しましょう。営業キャッシュフローがマイナスで、利益がプラスの企業は黒字倒産の危険性がありますですので、投資は控えるべきです。

さらには、営業キャッシュフローの金額以内で、投資キャッシュフローがマイナス、財務キャッシュフローがマイナスとなっている状況が理想系となります。これは、本業で儲けたお金で投資も行っているし、借金も返済しているという意味になります。

株投資の判断はこれで決まる

株投資する際は、その企業が黒字であること、営業キャッシュフローがプラスであること、投資キャッシュフローと財務キャッシュフローがマイナスであることを確認して投資するように意識しましょう。

なお、過剰在庫があるかどうかは貸借対照表(B/L)で確認できます。数年分の貸借対照表(B/L)で棚卸資産が右肩上がりで、損益計算書(P/L)上で利益が出ているときは、過剰在庫を現金化できずに黒字倒産の危険性がありますので要注意です。

まとめ

以上、『黒字倒産のメカニズム』と『株投資判断の仕方』についてお伝えしました。おさらいとしてまとめていますので、再度、原理原則を理解し、株投資の判断の力をつけていきましょう。

黒字倒産のメカニズム

借金して過剰仕入れを行った結果、原価は下がるものの棚卸資産(在庫)が増え、在庫が売れずに現金化できず、それに加えて、借金の支払い利息を払う羽目になる。

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その結果、会社に現金がなくなる。

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一方、過剰仕入れで仕入れ単価が下がり、損益計算書(P/L)上では、売り上げに対して利益が出て見た目上は黒字になる。ただ、過剰仕入れによる過剰在庫が現金化できないが、これが 損益計算書(P/L)上 には表現されてない。

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結果、過剰仕入れによる低原価で見かけ上利益が出るが、過剰在庫が膨らみ借金返済できない状況が続き、黒字倒産となる。

株投資判断の仕方

株投資する際は、その企業が黒字であること、営業キャッシュフローがプラスであること、投資キャッシュフローと財務キャッシュフローがマイナスであることを確認して投資するように意識しましょう。

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